最初に言っておきますが、教科書は頼りにはなります。
他にお金をかけなくても、教科書に書かれた看護手順を頭に叩き込めば、ひとまずバッチリなところが心強い。いろいろ買うだけ買ってまったく勉強しないのであれば、教科書だけで十分です。
私は病院付属の看護学校で学んでいました。そこで教えてくれていたDrも仰っていましたが、「やたら本買いたがる人いるけど、下手な他の書籍を買うより教科書読み込んだ方がおカネかからないし良いよ」。
これは真実。
確かに、疾患理解、看護手順、根拠……どれをとっても教科書ほど網羅されているものはないと思います。
ただ、淡々と疾患について述べられたおカタい文章を読んでいるだけだと息が詰まる。もっと勉強っぽくない書籍で勉強したーい!!
と思うことはありませんか? 私はずっと思っていました。
「小難しい専門書を使ってでも、勉強するのは当たり前デショ!!」って先輩からの怒号が聞こえてきそう……。ごめんなさい。その通りです。
でもね、内容さえしっかりしていれば、マンガだろうが雑誌だろうが読まないよりは読んだ方がはるかにマシ。
今回は、お堅い教科書を使って勉強したくない時におススメな、内容がわかりやすくて面白い&興味深い医療書籍を紹介したいと思います。
新人看護師だけではなく、看護学生やどの世代の看護師にもおススメしたいラインナップになった気がする。
今後の参考にぜひどうぞ。
Contents
新人看護師がゼッタイ読むべき医療書籍
<ねじ子のヒミツ手技>シリーズ
言わずと知れたねじ子シリーズ。
新人の頃どれだけお世話になったかわからない。愛してる。
著者は、森皆ねじ子先生。現役の女医さんです。
医学生時代からイラストレーターとして活動されており、研修医の頃から医学生向け雑誌の連載で手技の解説をしていたという経歴をお持ちです。
現役の医師が書いているという安心感に加えて、図がすべてわかりやすい手書き。
文章も砕けていてとっつきやすく、出てくる医療従事者キャラがパンダやウサギなど可愛い。
マンガ感覚で読めるのに知識はしっかりつくという、申し分ない1冊です。
その辺の雑誌とか読んでいると「しょうもないコラム書いてるなぁ」と思うこともあるけれど、ねじ子シリーズはコラムさえ勉強になるから読んでほしい。面白いし。
ねじ子シリーズはヒミツ手技が2冊、他にも心電図や<脳と神経のみかた>など、たくさん出ています。
新人さんにおススメなのは何と言っても<ヒミツ手技>の2冊だけれど、個人的に<初心者のための心電図>は内容の割に安すぎるというコスパ抜群な1冊だと思います。
私はこれともう1冊で心電図を勉強したぜ……。
自分に必要そうなものを買いましょう。
<ねじ子シリーズ>への愛が深すぎた結果、それぞれ個別の記事も書きました。興味があればご覧ください。
心電図を学べる書籍も紹介していますが、その中にもねじ子先生の一冊があります。
OP室に配属された時のための書籍も紹介しました。なんとその中にも。
どんだけ好きなんだって話だね。笑
<ズルカン>1年生、2年生
こちらも言わずと知れたシリーズですね。
中山有香里さんという現役の看護師さんが、タイトルの通り、看護師1年目と2年目の悩みを解決するために描かれたシリーズです。
こちらも手書きで見るからにとっつきやすい印象を受けると思います。
2冊をじっくり読み込んだ私の感想としては、
この本と一緒に1年目2年目を乗り越えたかったなぁ……。
しみじみとそう思いました。涙が出てきちゃう。笑
それくらい頼りになる本ということです。
コラムや看護師あるあるなども面白く、しっかり看護技術のポイントを学びながらも笑える2冊だと思います。
それぞれのレビューを書きましたので、より詳しく知りたい方はご覧ください。
<病気がみえる>シリーズ
教科書を読んでいると疲れる理由のひとつが、「とにかく文章量が多いしかもまわりクドイ」ということかと思います。目がチカチカしてくる。
病気が見えるシリーズは、図解多めで「パッと見で頭に入ってくる」が第一印象でした。
医師、看護師、PT・OT(理学療法士・作業療法士のコト)、柔道整復師、薬剤師、その他医療関係者……と、看護師だけでなくあらゆる医療従事者が使えるように作られています。
多職種の視点から、その科の疾患、治療などを理解できる点で優れていると言えます。
新人さんが入職し、自分が配属される科がわかった時点で、その科のシリーズを1冊手元に置くことをおススメしたいです。
急変対応のすべてがわかるQ&A
これはシリーズではないっぽい。
新人看護師で何が一番怖いかってやっぱり急変ですよね。特にスタッフが手薄な夜間の急変は、どんな幽霊より恐ろしい。
思い出すだけで手に汗握るような経験が、私にもあります。
急変の時に焦らないためにマニュアルがあるわけですが、初めて急変に当たった時にはやっぱり焦るもんだし、マニュアル自体もその焦りで吹っ飛んでしまうかもしれません。
急変対応はみっちり勉強しておくに越したことはない。いやもちろん他のもそうだけれどさ。
この本はQ&A式で「こういった場合どう対応すればいいかとその根拠」を1例ずつまとめて学ぶことができる点で秀逸です。
中には「急変時、なぜ意識障害のアセスメントが必要なのですか?」のようなマジかよお前みたいなQもありますが、そこから丁寧に解説してくれているのでありがたい限りです。笑
ちなみに<夜間の急変!その対応とドクターコール>って本もあるよ。
この本には、人での少ない夜勤帯にドクターコールが必要になった時の、良い例悪い例2つのやり取りが載せられています。「こういう風にすれば良いんだ」と取り入れやすいからこっちもおススメ。
ちなみに。
有名人が倒れた時の再現VTRで、2秒に1回しか胸骨圧迫してなくて「死ぬ死ぬ死ぬ!」、助かった後「よく生きてたなぁ」と思うのは、医療従事者あるあるですか?
シリアスな場面なのに変すぎて笑うから、夫に「こいつヒトじゃねぇ……」みたいな目で見られるのが最近の悩みだよ。
あと手術直後でICUにいるのに点滴本数0とかね。笑
基本、そんなことないよね? ICUにいた経験がないから、もしあるならゴメンだしどんな手術か教えてほしいです。
新人看護師がゼッタイ読むべき医療書籍のまとめ
教科書に難しく書いてあることを難しいまま人に伝えるのは、誰にでもできます。
しかし、それを初心者にもわかりやすく丁寧に解説するためには、疾患や手技に関する膨大な知識はもちろん、他にユーモアや才能が必要だと思います。
<ねじ子シリーズ>や<ズルカンシリーズ>みたいに、ユーモア満載に解説した本なんかはもう才能の塊だと感じます。
どこから目線だお前って感じですね、すみません。
わかりやすくて勉強になる本って、そういった意味で希少です。
ここに載せた本は、今まで読んできた数多くの医療書籍の中で特におススメできるものなので、ぜひ手に取ってほしいと思います。
*****
新しい本を買ったので、教科書や他の専門書を使わなくなった!
賢く処分したい方はこちら↓↓↓