看護学生時代を乗り越え入職し、いざ配属先が発表される瞬間は、やっぱりドキドキしますよね。
「手術室! 新人で、手術室!!」
「えー、なんか思ってたのと違う……。病棟だと思ってた、新人は絶対どこかの病棟だと思ってた」
「実際、手術室って(人によっては)見学したことはあるけれど、学生時代に病棟しか経験してないから、どんな感じか全く想像がつかない」
「手術に携わるって不安、厳しいんでしょ? 怖い……」
はい。
1年目で手術室に配属になった知り合いが、実際に言った言葉の数々です。
私もド新人で手術室に配属されるなんてことになったら、即病院を辞めようかと考えるレベルには恐怖を感じます。
手術室に抱くイメージと言えば、厳しそう、難しそう、コワそう……。
知らないことは恐怖ですからね。
逆に言うと、知れば大丈夫。すべてのことはそんな風にできています。
正しい知識があれば大丈夫です。
そんなわけで今回は、ド新人の看護師が手術の勉強をする時に使えるおススメ書籍を紹介したいと思います。
新人看護師が手術の勉強をする時におススメな2冊
ぶっちゃけ私はOP室勤務の経験がありません。
しかし、整形外科に勤めていた以上、手術室に関して勉強することも大切だと思って勉強してはいました。その中で、これは役立ったという2冊を紹介します。
まずはこちら。
手術室に配属ですか?!
手術室に配属されるなんて思ってもみなかったド新人は、まずこれを読んだらいい。
さくっと内容を見てみましょう。
手術室に配属ですか?! コンテンツ
1章 手術室ってどんなとこ?
2章 手術看護の流れを見てみよう
3章 絶対おさえておきたい器械出し看護のこれだけ! ポイント
4章 絶対おさえておきたい外回り看護のこれだけ! ポイント
5章 麻酔のキホン
6章 手術室モニタリングのキホン
7章 手術室でよく使われる薬
8章 手術室で良く聞く略語
このように、手術に関する基礎中の基礎が一通り学べます。
「そもそも器械出し・外回り看護師の違いもわからん……」というヒトがまず読むのにふさわしい1冊だと思います。
内容は淡々と描かれている印象ですが、写真や図が多めで小難しい印象はなく、わかりやすく読めますよ。
また、『新人ナースあるあるメモ』というコラムがあり、新人看護師がやりがちなミスとその対処方法が各章に1~2個まとめられています。
また、『なんで? どうして?』や『ケアのポイント』という項目もまとめられており、新人看護師が抱えやすい疑問を解決しやすい1冊だと思います。
手術中によく使う薬の一覧や、よく聞く略語が載せられているのもありがたいポイントです。
これを読み終えた後は、「シュジュツワカラナイコワイ……」という気持ちは緩和されるはずです。
ねじ子のヒミツ手技#
みんな大好き、私も大好き、森皆ねじ子先生の書籍です。
この本では手術やICUにまつわる手技が紹介されており、医師向けの内容も増えているということで「ひとつ上」という意味をこめて「#」と名付けられたそうです。
ねじ子のヒミツ手技# コンテンツ
・清潔と不潔の概念
・ガウンテクニック
・手術器具の名前
・糸結び
・器械縫合
・包帯交換
・ICUってどんなとこ?
・輸血
・人工呼吸器
・脳死判定
以上のとっつきにくい内容をとっつきやすく学べます。
上記の『手術室に配属ですか?!』を読んだ時に、手術で使用する糸について、
「なんで天然素材の糸って残っているのかな? 感染源になりやすかったり、太さが一定じゃなくてテンションに弱かったりしてデメリットの方が多い気がするのに」
という疑問が産まれたのですが、この『ねじ子#』を読んで解決できました。
(絹糸がいまだに現場で使われている理由は、①安い、②結びやすくてほどけにくい、③伝統と慣れ、だからだそうです)
こういう疑問や知識って、ぶっちゃけいざ働く時にはあまり関係ないこともあります。
例えば、OP時に使う糸の知識にしろ、看護師はOPを行うわけではないし、患者さんのカラダを糸を使って縫うわけでもありません。
ドクターが使いたいと言ったモノを使えるように準備するのがお仕事です。
しかし、そういう知識があると、例えばアセスメントや何かの拍子に役立つときもあるので、ムダに思える知識も多ければ多い方が良いと個人的には思っています。
知識の取捨選択は大切ですが、何が必要で何が無駄かなんて特に新人さんのうちはわからないじゃないですか。知っておくに越したことはない。
勉強になるのももちろんですが、単純に知的欲求をを満たしてくれる知識も、ねじ子シリーズには随所に含まれているので、私は好きなのです。
あと、人工呼吸器の章は、あらゆる医師・看護師が必見な章だと思っています。
この章は、突然、人工呼吸器をつけた患者さんを受け持たされても、一晩大丈夫なレベルを目指して描かれたそうです。
特に『~みんな大嫌い! 設定のおはなし~』以降のわかりやすさに驚嘆します。
人工呼吸器って、私が勤めていた病院にはなかったのですが、ヒトの呼吸をつかさどる機械の扱い方がわからないことほど怖いものはないですよね……。
これを読んだら大丈夫! なはずです。
すみません、実際に人工呼吸器を扱ったことがないから適当なことは言えないのですが、きっと大丈夫です。
ちなみにこの本、OP室で働く身内にさらっと読んでもらったら「わかりやすい」と言っておりました。
そういった意味でもおススメできる1冊です。
ここに書ききれない内容をレビューした記事もあります。参考にどうぞ。
最後に
ヒトの命に関わる仕事である以上、緊張感をもって仕事に臨むことは大切です。
が、ド新人で手術室に配属されてしまって適度な緊張感どころではなく、焦っている新人看護師さんのために、今日の記事を書きました。
私はOP室経験はないのですが(ごめんなさい)、今後再就職するかもしれない時のためにコツコツ勉強だけはしています。
私はOP室ド素人のくせに何を血迷ったか、書店で医師が使うような難しい本を手に取ってしまい、「やっぱり私には無理だったんだ……」と挫折しかけました。笑
皆さんは私のようにアホではないのでそんなことしないとは思いますが、
初心者には初心者向けの本がやっぱりわかりやすいよね
と実感しましたということだけ、お伝えしておきたいと思います。
お互い頑張りましょう。
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