さて、ついこの前『手術室に配属されてしまった! という看護師のためのおススメな書籍』という記事を書きました。
今回は、そちらでも紹介したねじ子先生の書籍をあらためて語る第2弾です。
ちなみに第1弾はこちら。
こちらの第1弾では『ねじ子シリーズ全体』について語っています。どれもおススメなので良ければ参考にしてください。
さて、この記事で紹介する『#』ですが、マジでいい意味でヤバいです。
私は好きすぎてテンションが上がると語彙力がマイナスになるので、ダラダラしすぎないよう簡潔にまとめたいと思います。ガンバリマス。
Contents
『ねじ子のヒミツ手技#』とは?
まず、この本のタイトルだけ見ると
「いったいどの医療分野について描かれた本なのかしら?」
と思いますよね。
この本は、『手術やICUにまつわる手技について解説している』本です。
『この本のよみかた』という巻頭の文章から引用させていただくと、
内容的には、ナースさんのみならず医師向けの内容も増えてきます。だからタイトルも「ひとつ上」という意味をこめて#(シャープ)と付けました。
#の意味はそのように説明されています。
当ブログで過去に何度もご紹介していますが、著者である『森皆ねじ子先生』は、研修医時代からイラストレーターとしてもご活躍されている現役のドクターですよ。
専門的で難しい内容を、ポップなイラスト付きで紹介している本自体もそうそうありません。
難しい内容を学ぶとき、つい身構えてしまいませんか?
ねじ子シリーズの可愛いイラストには、そんな『とっつきにくさ』を和らげてくれる効果があると思います。
『ねじ子のヒミツ手技#』を読むと学べること
この本は、10個のコンテンツと、7個のコラムにて構成されています。
他には『この本のよみかた』と『参考文献』と『Special Thanks』。
コンテンツとコラムの各内容を見てみましょう。
コンテンツ
・清潔と不潔の概念
・ガウンテクニック
・手術器具の名前
・糸結び
・器械縫合
・包帯交換
・ICUってどんなとこ?
・輸血
・人工呼吸器
・脳死判定
コラム
・手洗いのローカルルール
・病気は治りましたが患者は死にました
・姑息な手術ってなに?
・手結びと器械結び
・医者は切りたがると言うけれど
・輸血の歴史は失敗の歴史
・命って何かね。生命って何かね
ねじ子のヒミツ手技#を読むと、以上の内容が学べます。
全看護師が『ねじ子のヒミツ手技#』を読むべき理由
看護師はいつ異動になるかわからない
看護師は、同じ病院内で異動になることがありますよね。
普通なら早くて3年目以降になると思いますが、本人の希望や病院の都合などで、誰がいつどうなるかはわかりません。
今働いている部署で使う知識の他に、コツコツ違う部署の知識を増やしておくと、異動になった時のストレスが少なくて済みます。
個人的には、病棟からOP室への異動がもっとも大変だと思います。
OP室と病棟では、仕事内容がほぼ完全に異なると言っても過言ではないからです。
3年の病棟経験を経て、OP室に異動になった身内の看護師が言うには、
だそうです。頑張ったね、お疲れ。
手術などに関わる技術を特に学んでおくべき看護師とは?
それは、手術室のある病院に勤めるママナース&プレママナースです。
子どもが小さいうちは、独身時代よりは夜勤がしにくくなりますよね?
夜勤ができないけれど働きたい場合、必然的に夜勤のないor少ない部署に勤めることになります。
そのため例えば総合病院の場合、外来かOP室が主な職場になるのではないでしょうか。
子育てしながら新しいことを一から勉強するのは想像より大変です。
育休中のうちにできるだけ手術に関する知識を備えておくと、後々楽になるかもしれませんよ。
病棟で使える知識も満載
この本で学べるのは、OP室でしか使えない知識だけではありません。
病棟でも使える知識が学べる具体的な章としては、清潔と不潔の概念、ガウンテクニック、包帯交換、ICUってどんなとこ?、輸血、人工呼吸器、脳死判定、ですかね。
ざっくり言っても10個あるうち7個の章が当てはまります。
私には関係ないや、とこの本の知識を切り捨てるのはもったいないくらい、役立つ内容がこの中にはあると感じています。
特に外科の看護師さん、清潔不潔の概念や包帯交換の手技を勉強し直したいなら必見です。
当然ですが、外科系に勤める看護師さんはOP前後の患者さんを看ることになりますよね。
どんな手術がなされるのか・どんな薬が使われるのかなどのOP自体に関する知識もあった方がもちろん良いです。
術前の患者さんの質問に対応できたり、術後の観察点がわかったり症状をアセスメントできたり、あらゆる場面に対応できますからね。
自分の看護師観を見直せる
ねじ子シリーズのコラムは、とても興味深くて面白いです。
医療従事者もそうでない方も、ねじ子シリーズのあらゆるコラムを読んでみてほしい。
仕事をする上で、自分なりの意見を持つことは大切だと思っています。
なぜなら、それに従って行動できれば自分自身の後悔が少ないから。
単純に知識になることも多いので、章だけでなくコラムも読んでみると、自分はこれについてこう考えようという道筋を探すきっかけになるかもしれません。
参考文献についての余談
わかりやすい本の参考文献って、わかりやすい&秀逸な医療書籍が多い気がします。
参考文献の中に、例えば心電図や呼吸管理、輸血などについてピンポイントに書かれている文献があれば、それについてもっと深く学びたいと思った時に参考にすることができます。
あまり気にして読んでいる方も少ないのでは?
穴場だと思います。参考にしてみましょう。
最後に
当ブログでは、「私が好きだから」という理由だけで、これまで散々「ねじ子シリーズ」についてご紹介してきました。
元ナースと言えど、今は勤めてすらいない私のような者が、(先生の書籍について好き勝手に紹介していいものか……?)と記事を書くたびに思います。
こういった記事を書くことが、今まさに今現場で悩んでいる新人看護師・若手看護師に『ねじ子シリーズ』のような医療書籍を知ってもらうきっかけになり、そして少しでも悩みを解決できればこの上ない喜びです。
それがその看護師さん、また最終的には患者さんのためになると思っています。
ズルカンシリーズのレビューについても同様です。
臨床から離れて半年かー。
今やただのヒトになってしまった気がしますが、ねじ子シリーズを読むと、あらためて看護師だった頃のことを思い出させてくれますね。
看護師は、一生勉強し続けなければいけない大変な仕事だと思います。
しかし、この記事を読んでくださった皆さんのナースライフを、『ねじ子シリーズ』の助けを借りて少しでも楽しいものにできたなら、ただ本を紹介しているだけの私も本望です。
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