今回は、特に新人看護師さんに読んでほしい記事を書きます。
病院に7年務めてわかったことがあります。
それは、他職種を下に見る看護師ってけっこう多いということです。
しかしそこに、たいてい医者は含まれません。
医者の指示を受けて看護師が動く、という絶対的な関係があるからでしょうか。
含まれるのはPT、OT、ヘルパーさん、介護士さん、検査技師さん、etc……。
特に、新人の1年間を乗り越えて、ある程度仕事にも慣れて自身もついてきた。そんな折に、急に他職種に対してキツく当たり始める看護師が一定数いるなぁと気づきました。
今回は、そんな「他職種を下に見るナース」の心理を書こうと思います。
理不尽な看護師にムカついているすべてのヒト必見です。
自分への戒めも、ちょっと含まれています。
看護師が他職種を下に見てしまう心理
ご存知の通り、看護師の仕事はマルチタスクです。
例えば整形外科の場合。私がいた整形は、プライマリーナーシング採用でした。
その日だけの仕事なら、部屋持ちの患者さんの看護をナースコールを取りながらやります。
入院受け持ちなら入院対応、OP持ちならOP出しとOP後の部屋準備をヘルパーさんと共にやり、OP後の全身管理をやって夜勤に申し送るまで、まさに戦場のよう。
余裕がある人が即入(即日入院患者)も取ります。人手が足りない時はそれらが重なって重なって残業になることも多いです。
それとは別に、自分がプライマリーの患者さんの看護計画を立て、それを説明し計画に許可を得て、今の疾患の状態、それが身体に及ぼしている影響を観察していきます。
何ができるようになったら退院したい・できるかを一緒に考えて、退院できないとしたら何が原因で、その原因をどうやって改善したらいいか、PTさんOTさんに相談、ソーシャルワーカーさんとも相談して解決の道筋を立てて、実行して。
それでもダメな時はなんとか双方の落としどころを探す……。ということを永遠とやっていました。
毎日の業務だけでも手一杯なのに、自分がプライマリーナースとなる患者さんが増えてくると、もうずっと忙しいままです。
加えて患者さんのナースコールがバンバンあったりすると、残業三昧ですね。
ナースコールの中に(それは果たして看護師の仕事なのかしら?)と正直思うモノもあります。でも、私はやっちゃうことが多かった。
患者さんに頼まれたことだと、忙しすぎるとかで断らざるを得ない状況以外の時は、断る方がデメリットが大きいからです。
あの看護師は○○もやってくれなかった、とか陰口言われるのもけっこうしんどい。
そうして自分で仕事を増やすこともあります。
こんな理由や背景もあり、看護師の業務はひたすら多忙となっていきます。
そうすると、何が起きるか。まずは余裕がなくなります。
看護師ばかりが忙しくしているように思えてきます。忙しさで周囲が見えないからこそ、そう感じます。
(看護師以外の職種なんて、与えられた仕事ばっかりやっているんだからヒマでしょ?)
はっきりそうは思わなくても、そう見えてしまうことがあり、その感覚は恥ずかしながら、過去に私も感じていたことがありました。
他職種に失礼だった看護師としての自分の後悔
看護師の仕事って、「医師の診察や治療の補助と、患者のケア」なのですが、患者さんをケアするための他職種との連携もその中に含まれています。
2年目で仕事ができるような気になっていた私ですが、実際は周りと比べてそんなに要領が良いわけでもなく、相変わらず余裕のない毎日を過ごしていました。
でも、自分より知識も経験もある他職種になぜか張り合える気になっていました。
その結果、敬語は使うものの何かをお願いする態度とか、いろいろ失礼だったと思います。
看護師になって1年半で私は転職しました。新しい病院で、また1から仕事を教えてもらうことになって、周りとの人間関係も築き直していた時に、ふと我に返りました。
元職場での自分の態度が、いかにみっともなかったか気づいたからです。
それからは、常に自身の態度に気を付けてきました。転職してから他職種の方と仲良くなり、その仕事の裏話とか教えてもらったりしました。
みんな、それぞれがハンパなく忙しいです。そうして病院は回っています。
忙しいことが、人に当たって良い理由にはならない
んなもん当たり前でしょ。大人になれよ。
以上です。
これは過去の自分に対しても言っています。
この記事を書こうと思った理由
最後にいた病院で、私はわりと検査技師さんやヘルパーさんと仲良く仕事をしていました。
ある時ふと、検査技師さんに言われました。
「長年病院で働いてきたけれど、看護師ってなんで偉そうな人多いんだろうねー」って。
「え、もしかして私偉そうですか?すみません」
「いやいや!なすびーは大丈夫だけど、いくら相手が年上でも敬語使わないのって看護師に多いのよー……」
私のことは否定してくれたけれど、もしかしたら私もそう思われていたかもしれないなってショックでした。
「また」そう思われていたのかもしれないと。
またと言うのは、その前に勤めていた病院で、上記のような偉そうな態度を私もとってしまっていた感覚があったからです。
他職種の仲良い人に言われたことが、過去の記憶とも相まって「偉そうな看護師」についてあらためて考えるきっかけになりました。
最後に
みんながみんな、忙しく働いています。
あれもこれもやんなきゃいけないのは看護師だけではありません。他職種には他職種なりの忙しさがあり、その職業じゃないとそれは理解できません。
新人看護師さんにこの記事を読んでほしいと思ったのは、将来そうならないように、私みたいな後悔をしないようにという願いを込めてです。
ある程度の年数をその場所で働けば、いずれ仕事のできる人にはなっていきます。
しかしいくら仕事ができても、「この人と一緒に働きたくはないな」と思う看護師にはならないでほしい。どうしても一定数出てくるんだけど、自分も一緒に働いててイヤでしょ、そんな人。
自分一人で働いているわけではありません。
新人看護師さんは、ぜひ調子に乗ることなく、頑張ってください。
飲み会で検査技師さんやヘルパーさん、PT・OTなどの皆さんと、それぞれの仕事の苦労話とかするの、楽しいよ。笑
病院内に、他職種で仲のいい方が増えてくると、仕事自体もスムーズに連携がとりやすくなります。
医者も看護師も、他職種の皆さんが一生懸命調べてくれるデータなどありきで仕事をしています。
連携プレイで病院は動き、それが患者さんのためになるのだということを、どうかお忘れなきように。
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