看護師を辞めたい。私は看護師に向いていない。
私も何度も思ったことですし、同僚も先輩も後輩も、周りのみんなが言ってきた言葉です。
しかし看護師を辞めたいとは思っても、環境がそうさせてくれないことは多々あるでしょう。
お給料が無かったら生活していけません。看護師の国家資格ももったいない気がします。
一応お給料も高いと言われている職種だし、ここからまったく別の職種に転職する不安もあるし、それでお給料が下がるのに耐えられるかもわからないし、エトセトラエトセトラ……。
考えるのやめた。やっぱりここで看護師を続けよう。
結局ラクだからそこに落ち着いて、自分の中の葛藤はひとまず終わりを迎えます。
それを繰り返します。そうしていれば、いつか必ず定年を迎えます。
ただ、ツラい思いはするでしょう。何度も。
生きていくために、こんなにツラい思いをあと何回しなければならないんだろう?
そのような絶望感にさいなまれることも、あるかもしれません。
「そんなツラさが少しでも楽になればいいな」という思いから、今回は、『自分は看護師に向いていないと思っている人が、看護師を続けるコツ』を書こうと思います。
看護師に向いていないと思う人が仕事を続けるコツ
コツというか、考え方というか。
「看護師に向いていないな」と思った時、以下の考え方をしてみるのはいかがでしょう。
何もかも仕事だと割り切る
人間関係の問題で看護師を辞めたいと思う人のなんと多いことか。
しかし、職場には仕事をしに来ています。本来、そこに余計な人間関係は必要ないはず。
その日に受け持った仕事を終わらせるために、他人の手を借りなければいけないというだけです。新人さんは、それが2年目3年目よりちょっと多いだけです。当たり前ですね。
わからないことを誰かに聞くのも『仕事』。
それをできる人に見てもらいながらやるのも『仕事』です。
お金をもらっている以上、「やれ」と言われた目の前の仕事は、どうしてもしなければなりません。
淡々とやりましょう。与えられた任務のみ確実に遂行するスパイのように。
就職して1週間しか経っていなかった頃を思い出してみてください。明らかにできることは増えているはずです。
新人のうちは、仕事のできるできないが如実に表れやすいです。
自分だけができないと思っているかもしれません。
確かに、「あの子はもうできるのにあの子はまだこれしかできない」などと、新人同士の差を先輩にチクチク言われることも多いでしょう。
が、2年3年も経てば、レベルはそんなに変わらなくなることがほとんどです。
あなたができることは、今この瞬間も着実に増えています。
その実感を噛みしめて、それを繰り返しながら少しずつ前に進んで行ってください。
勉強を欠かさない
自分に向いていないと思う仕事の勉強を欠かさずやるのは苦痛だと思います。
しかし、「努力は裏切るが努力しなかったことは裏切らない」という言葉もある通り、勉強しないと明らかに進歩はありません。
向いていないから勉強しない。それは簡単だし楽でしょう。
ただ、努力は目に見える差として現れます。
前述の通り、見えてしまう差というのは「あの子はこんなにできるのにあんたは」という糾弾の対象になります。もちろん言い方にも問題はあると思いますが、言われる原因を自分でみすみす作るのは損ですよね。
ただでさえ自分でもこの仕事に向いていないできないと思っているのに、周りからもやいのやいの言われて孤立する。
そこから這い上がってこれる自信、ありますか?
新人の頃の私には、ありませんでした。
結局、何も残らないまま辞める未来が見えますね。
まだ辞めたくないのなら、今頑張っておく意味はあります。
新人さんなら、今日わからなかったことの復讐や、明日の受け持ちの疾患やら明日やる手技の手順やら、毎日帰ってからも何かと勉強しているかと思います。
それをコツコツ続けることが、実は一番難しいです。
逆に言えば、それができているなら十分です。胸を張ってください。
聞こえない陰口は「言われていない」と思い込む
(さっきミスしちゃった……なんか先輩がこっちをチラチラ見ながら、他の先輩とひそひそしている……あれは絶対に私のことを悪く言っているに違いない……。)
というのは、新人看護師あるあるかな?
私にも覚えがあります。そうやって深い闇の中に心が沈んでいったことが、何回あるでしょう。
面と向かって言われる言葉というのはトゲになって刺さります。なんとか深く刺さらないようにガードしなきゃなりません。
そんな風にただでさえ刺さる言葉があるのに、聞こえない言葉まで自分に刺す必要はありません。
実際、なんの話をしていたかなんてわかりませんよね。聞こえないんだから。
案外、こっちをちらちら見ながらも、今年はどこに旅行に行こうか、なんて朝にしていた話の続きをしているかもしれませんよ(実話)。笑
余計なトゲを刺しているのは自分かもしれません。
何にも良いこと無いので、止めるよう意識してみてください。
「自分は看護師に向いてない」と思った理由は何?
この記事の参考にしようと、他のブログとかいろいろ見ていました。
同じような、仕事を続けるコツという記事に、「とにかく頑張る!」以下精神論みたいな記事を読んで笑ってしまった覚え。
いや、この記事に書いてあることも、精神論っちゃ精神論かもしれない。
でも、「これ以上頑張れないよ! 他にどう頑張れっていうんだよ!!」と思いませんか?
まったくその通りだと思います。
毎日必死ですよね?
今自分がやっていることではすぐに効果が出ない。
こんなレベルじゃまた明日も怒られることがわかっているのに、疲れてしまって今できることは限られるから焦りも不安もぬぐえない。
怒られたくない。できると思われたい。患者に迷惑かけたくない。
どれもみんな思う、当たり前の感情だと思います。
私が言いたいのは、できない原因が全部自分だけにあると感じているならそれは間違いかもしれないということです。
あなたがそれをできない原因は、実際は自分以外の別のところにありませんか?
例えば、人間関係が怖くて委縮してしまい、仕事の支障になっていると感じたなら、思い切って職場を変えるのも一つの手です。
<夢を諦めたくないのなら、その職場を変えてみなよという話。>にも書きましたが、周囲の環境というのは非常に大切です。
確かに頑張ることは大事です。しかし、新人をフォローできない、何をしても嫌味を言われ続けるような環境でひとり頑張っても、いつか疲れ切ってしまうでしょう。
結果的に夢を叶えられなくなることが、私は心配です。
周囲から受けるストレスで自分が潰れてしまい、抱いていた夢を手放さなければいけなくなる前に、一度転職を考えてみることをおススメします。
最も大切なのは、あなたのカラダであり、心です。
心身が壊されてしまうかもしれない場所に、ずーっとしがみつく意味はないですよ。
ツラいと思った時にすぐ行動を起こしておかないと、後悔することになるかもしれません。
最後に
私は新人看護師だった当初、認定看護師を目指したいと思っていました。
しかし、そのために選んだ病院でパワハラやモラハラを受け、夢を叶えるより先に自分が潰れてしまうという恐怖を覚えたため、転職をしたという過去があります。
詳しくは<なすび―のプロフィール。>に書きましたので、興味があれば読んでみてください。
看護師を辞めた今でも、看護師という仕事は、素敵な職業だと思います。
生涯を通して誰もが何度もお世話になる、ヒトの人生に大きく関わる責任重大でやりがいのある、そして心優しい仕事です。
ただ、内部事情は外から見えるよりもドロドロとしていて、人間関係やお給料やモンスターペイシェントや訴訟など、自分の人生を台無しにするかもしれない問題であふれているように思います。
この記事を読んでくださったミナサマが、自分が安心して働ける職場に巡り合えるように願っています。
*****
新人看護師さんの悩みは尽きないことでしょう。
それらをちょっと楽にしてくれるかもな記事はこちら↓↓↓