こんばんは、なすびーです。
さて、1か月ほど前に「ズルカン」という単語を目にしました。
どうやら新人看護師さん向けの書籍らしい。
何それ読みたい、とさっそくアマゾンでポチって読みました。
こ、これは……「新人看護師を助けたい」というテーマを掲げる我がブログで紹介しないわけにはいかない書籍……!
となりましたので、今回は「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」のレビューをしていきたいと思います。
結論から言うと、1年目はみんな読んだ方が良いよ!
ゼッタイにみんなの助けになってくれるはずだ!!
と、この本を読んで普通にファンになった私が語りますね。
ズルカンを読むと学べることも紹介しているので、ズルカンを試し読みしたい方も必見です。
そもそも『ズルカン』とは何ぞや?
ミナサマにおかれましてはもうご存知だとは思いますが、説明すると
ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術
という書籍タイトルの略でございます。
ズルカンの著者は、中山有香里さんという現役の看護師さんです。
当書の「はじめに」より一部言葉を抜粋させていただくと、ズルカンは
「新人看護師さんに最低限理解しておいてほしいこと。どういうときに、先輩にすぐに報告するべきなのか。そのとき、何が考えられるのか」ということを、本当に自分がプリセプターで1年目に説明するような気持ちで書いた本
ということです。
なんと、「2018年4月に入職した2人に1人が読んでいる」本とのこと。
これだけでも、ズルカンのスゴさがわかってもらえると思います。
新人看護師がズルカンを読むべき理由3つ
著者が現役の看護師
上記の通り、著者の中山有香里さんは、現役の看護師さんです。
看護師さんだからこそ理解できる、新人看護師のミスしやすい部分や不安に思う点や理解しにくい点、その解決策がズルカンにはわかりやすく載っています。
尊敬するのは、私も看護師を辞めたのが7年目だったので、プリセプターという役割を担ったことがあります。
しかし、正直ここまで上手にプリセプティーに教えることができたか、説明はわかりやすかったか、自信は持てません。
こう教えればよかったのか……思う場面も、この根拠忘れてた……と思う場面もありました。
イラスト満載、ユーモア満載
この本の中に、写真はありません。文字もほぼ手書きです。キレイな字。
パソコンで打たれた文字と言えば、「はじめに」と「あとがき」の内容と「索引」くらいです。
あとは全部手書き。私の愛するねじ子シリーズと、パット見少し似ています。
『新人看護師におススメしたい!ねじ子シリーズについてなすびーが語ったよ。』という記事で本を紹介した時も書きましたが、私は難しくて勉強が嫌になる時に助けてくれるのがコミックデザインだったりユーモアだと思っています。
とにかく仕事でいっぱいいっぱいになりやすく、ストレスを抱えるであろう新人さんでも、この本なら開いてみようかな? という気になると思います。
個人の感想ですが、「愛すべき患者さんあるある」が好き。笑
これほぼ経験したことあるよというくらい、本当にあるあるなんだもん。
面白く学べるのは、タイセツ。
そして難しい文章の羅列を噛み砕くよりも、記憶に残りやすいと思います。
新人看護師への配慮が感動的
上記とかぶるのですが、何度でも言いたい。
看護師だからこそわかる新人看護師への配慮でこの本はあふれています。
ひとつ例を挙げます。
新人看護師の皆さん、先輩に根拠訊かれるの、怖いよね……?
下記にありますが、ズルカンはLESSON1~11まであります。
そして、各レッスンの最後に「先輩ナースにきかれるポイント」がまとめられているのです。
まさに至れり尽くせり。
ホント、この本が出てから新人やりたかった……。(ちゃんと勉強しろって話ですね、すみません)
ズルカンを読むと学べること
「すべての本が試し読みできたらステキなのにー」と、本好きな私はよく思います。
が、そうもいかない。そこで、ここではちょっとだけズルカンを読むと学べることをご紹介したいと思います。
ズルカンは、11個あるLESSONと、4つのCOLUMNで構成されています。
それぞれの内容タイトルはこちら。
LESSON
1.バイタルサイン測定・SpO2測定
2.採血
3.皮下注射・筋肉注射
4.静脈注射・点滴静脈内注射
5.酸素投与
6.口鼻腔吸引
7.血糖測定
8.インスリン注射
9.一時的導尿&膀胱留置カテーテル
10.輸液ポンプ・シリンジポンプ
11.浣腸
COLUMN
確認!! 与薬の6Rとは
意識レベルの確認! JCS
パッと確認できる12誘導
パッと確認できるモニター心電図
ズルカンを読むと、以上の内容を学ぶことができます。
もちろん全部役立つ知識です。
その中で特に、酸素投与、インスリン注射、輸液ポンプ・シリンジポンプの項目は、何回読み返したって損はありません。
私個人の経験ですが、輸液ポンプとシリンジポンプを初めて使った時の怖さ、アラームが鳴った時の焦り、今でも手に取るように思い出せます。
擦り切れるまで読み倒してほしい。
あと、12誘導の位置とかパッとわかりますか?
せっかく知識があるのに、新人看護師のうちは残念ながら緊張や焦りがそれを吹っ飛ばすことも多々あります。せっかく勉強したのに悲しいですね。
コラムの12誘導のページを縮小コピーして持ち歩き用のメモ帳に張っておくと、いざという時役立つ!
と思いますよ。
最後に
ツラかった新人時代をなんとか終えて2年目になった時、
「自分の技術にたいした自信を持てないまま1年目を終えてしまった」
という絶望感が私にはありました。
自分の技術に自信を持てないという事実は、私を追い詰め、そして心身を壊しかけるきっかけの一つになったと感じています。
ズルカンは、私が新人の時にあったら、きっと助けてくれただろうなという充実した内容だと思っています。
この記事を読んでくださった看護師1年目の皆さんや、自信の持てない2年目の皆さん、初めてプリセプターに就く3年目の皆さん、はたまた看護学生さんにもぜひ読んでほしい。
いずれ患者さんも自分も助けてくれる知識になると思うからです。
臨床から離れてしまった私には、頑張ってください、と月並みなことしか言えません。
でも、コツコツやったことは裏切らないと思っていますので、興味を持った方は手に取ってくださると、この記事を書いた意味があります。
ちなみに、ズルカンには看護師2年生のための<悲しいくらい人に聞けない看護技術>という第2弾もあります。
先日、こちらのレビューも書きました。参考にどうぞ。
あ、ついでに私事をひとつ。
私は足を痛めたことがメインの理由ですが、実は家族の介護問題もあり仕事に就くことができませんでした。
しかし、来年の4月あたりにまた看護師に戻れるかも……! と最近希望が持てる出来事がありました。
もし看護師としてまた働くことができると決まった時には、ズルカンを読み倒して、私もまた頑張りたいと思います。
ズルカンとともに、今後とも『なすろぐ!』をよろしくお願いします。
と、ちゃっかり当ブログの宣伝もしておきますね。笑
おススメ医療書籍の記事は他にもあります↓↓↓