こんにちは。最近暑くなってきましたね。
脱水が増えてくる時期ですが、病棟ではそろそろ即入が出てくる頃でしょうか。
さて、今日はこんなタイトルの記事。
私が改めてこのことを記事として書こうと思ったのは、
『これを忘れてしまったら、他者に寛容になれなくなる』
そう思ったからです。
そして、
「看護師という職業の特徴が、他者に寛容でいられなくしているのではないか?」
看護学生時代にふとそう思ったことを思い出したので、それについて今日は書きたいと思います。
Contents
看護師が他者に寛容になれない理由は何か
本来、看護師という職業は、『共感』し他者に寄り添う能力が不可欠な職業だと思います。
しかし、その共感が患者さんオンリーになっており、一緒に働く人たちには皆無な人って珍しくないですよね。
患者さんには天使の笑顔なのに、同僚などには嫌われているという人も結構いますよね。
同僚に寛容になれない理由
では、他者に寛容になれない理由は何でしょうか?
その人の『もともとの性格』というのもあるけれどそれは変えようがないので、その他には以下の要因があると思います。
・時間を一秒たりとも無駄にしたくないほどのオーバーワーク
・煩わしい人間関係
・何をするにも伴う命の責任
・イレギュラーが多い
これらに共通するのは、働き手の『余裕をなくすこと』です。
余裕がなくなれば、ざっくり言うと雑になります。
これくらいで良いかと思えるところは時間を削っていかないと、仕事が終わらないからです。
そして、自分の貴重な時間を削る事柄すべてにイライラしてしまいます。
看護師の仕事は思い通りに行かないのでイライラしやすい
人を相手にする仕事なので、すべて自分の立てた計画通りにはいきませんよね。
朝に立てた『本日の行動計画』は、ナースコールの嵐や即入などイレギュラーに阻まれて、思い通りにいかないことの方が多くないですか?
結果、同僚や患者が抱える背景に思考が及ばなくなり、配慮の足りない言動をしてしまうことにつながるのではないかと思います。
このように、忙しい看護師という職業の特徴そのものに、イライラしやすい要因が隠されています。
看護学生時代に、働いている看護師を見て
看護学生に対する扱いって、散々だと言われることが多いですよね。
実際、看護学生時代の私もそう思っていました。
挨拶無視は当たり前。
「今は報告聞けない」と立ち去られたのに待っていたら「報告が遅い!」と怒鳴られ、看護計画発表後に一言「話にならない」とだけ言われてフォローはなし。
バイタルサインなどの状態報告を一度もさせてもらえなかったこともあります。
詳しく知りたい人はいないかもしれませんが、こちら↓の記事に書きました☆
さすがに報告させてもらえなかったのはその一度しか経験がないですが、現場がいかに学生を教える暇がないか、疎ましく思っているかを感じ続けた実習期間でした。
(ここにいる看護師たちは、自分たちも看護学生の時にそうされてきたのか?)
(それが嫌じゃなかったのか?)
そう理不尽に感じざるを得ませんでした。
現場の看護師が学生に対しそのような態度をとることが許容されているのも、
『忙しいんだから仕方ない』
という免罪符があるからでしょう。
看護学生の行動にどんな理由があったのか、何を考えて行動しようと思ったかなんて知ったこっちゃありません。というか、考える暇がないのかもしれませんね。
もちろん、すべての職場がそうであるわけではなく、私が働いていたような看護学生さんを大事にする職場もあります。
ただ、学生時代にそんなことをされて、
「私がこれからなるであろう看護師は、こんなに余裕がないんだ」
「私もいずれ、看護学生に対してそんな態度をとるんだろうか」
「そんな中でずっと、働いていかなければいけないんだろうか……」
看護師を目指したことを、その時に後悔しました。
でも、専門学校の看護学生でしたからね……。
そこから看護師以外の道を目指すことにも恐怖心というか今更感があるし、
看護学校に送り出してくれた両親にも申し訳ないし、
そもそも他にやりたいこともないし……
というデモデモダッテな心境でした。
看護学生でいること自体に嫌気がさしながらも、せめて看護師免許を取るまでは我慢しようと思い続けた学生時代でした。
看護師は、自分に余裕を持てる職場を探した方が良い
これに近いことを、以前記事にも書きました。
看護師という職業は基本、忙しいと思います。
ただ、人間関係が悪すぎて看護師が辞めていって常に人手が不足していたり、
新人看護師等の育成環境が不十分で上の看護師に負担がかかりすぎる職場では、
そうでない職場に比べてさらに忙しくなります。
働く環境によって、人は変えられてしまうことがあると思います。
そんな逆境に立ち向かえる人もいますが、そんな人ばかりではありません。
加えて、逆風に乗って飛んでくる砂や石で傷ついて、やっと逆風がおさまり「乗り越えた」という実感を持つ頃には傷だらけになっているのも、私はイヤですよ。
ガマンするのは、美徳にはなりません。
何のためにツラい職場で我慢しているのか、今一度考えてみてください。
そして、自分に適した忙しすぎない職場を探すのは悪いことではないということだけは覚えておいてください。
そもそも、他者に怒りをぶつけて平気でいられる人が、看護師を目指すでしょうか?
それが私はどうしても疑問で、そう思い切れない部分があります。
現場の余裕の無さがそうさせたのではないか? と。
余裕が持てる職場で働くことは、結果的に他者に優しくできることにつながります。
最後に
若ければ若いほど誰に対しても、その人が抱えている背景を理解しきれないことはあると思います。
経験がないから。これは仕方のないことです。
経験も、想像を補うひとつの手段になります。年をとればとるほど経験豊富になるのは間違いないので、様々な事柄に動じなくなってはいくでしょう。
まぁ、若くても個人が抱えている背景をよく理解しようと心がける素晴らしい方もいれば、お局クラスでも自分の都合しか考えられない残念な人もいるので一概には言えませんよ。
想像もつかないようなツラい経験をしている人も、今まさに悲しみに沈んでいる人も、それでいて何も周りに見えないようにできる人もいます。
今日の記事が、自分を振り返るきっかけや、自分の職場環境を見直すひとつのきっかけになれば嬉しいです。