看護師の生涯転職率は約70%、働きながら転職活動をしている看護師は約40%にも上るそうです。
私が昨年辞めたばかりの病院に転職したのは約6年前。その時に転職サイトで見たデータなので、今はこの率も多少変わっているかもしれません。
しかしツイッターで新人看護師さん方のつぶやきを見ていると、「辞めたい」「つらい」「なんでこんな職業選んだんだろ」みたいなモノばっかりです。
まったく同感だと思っていた時期が私にもありました。
人間関係に大いに悩み、患者さんの命を預かるプレッシャーに耐え、その責任に見合わない給料をもらってずーっと生活していかなければならない。
(せめて一つの条件だけでも改善されたらな。こんな職場辞めたい転職したいゼッタイしてやるこの勤務が終わったら師長に言ってやるゼッタイにだ。。。)
という気持ちは、看護師である以上誰でも一度は思うことかもしれませんね。
看護師という職業は、他の業種と比較しても転職する人が多いそうです。
今回は、そんな転職の多い看護師が、ひとつの職場で働くメリット・デメリットを考えまとめてみました。
Contents
看護師がひとつの職場で働くメリット
自分の専門性を高められやすい
配属されたら、その科に少なくとも3年以上勤める例が多いみたいです。個人の希望や病院の都合もあるけれどね。
ひとつの科で長い期間働くということは、それだけその場所に「慣れる」ことができます。
その科の疾患の基礎知識、症状、その治療や看護の仕方を、その身を持って学ぶ機会が多いでしょう。
そこにいればいるだけ、患者さんの看護に自分が培った知識を役立てることができるというのは大きなメリットだと感じます。
慣れればその分仕事が早くなる
短期間で転職を繰り返す場合、その都度転職先の病院のやり方に慣れる必要が出てきます。
病院規模の違いとなれば、記録ひとつとっても電子カルテか手書き(ド田舎だとあるんですよ……)か、点滴は部屋持ちがやるのか注射係がやるのか、スタッフ間の暗黙ルールetc……何もかも違います。
何より厄介なのが、暗黙のルール、ですかね。
その場所で当たり前のことを転職したばかりの看護師は知らないわけですから、謎ルールを覚えること自体や、それを知らないことで陰口を叩かれたりと、ストレスにつながりやすいからです。
転職先の科が現在勤める科と同じでも、病院が違うだけでコマゴマした仕事のやり方に慣れなければいけないのは、正直言って手間です。
まぁ同じ科であれば、元の病院で培った知識や経験は生かせるので、やり方にさえ慣れてしまえばこっちのものですけどね。
給料が上がっていきやすい
勤めれば勤めるだけ年々お給料は上がっていきます。
うちは年1回昇給で3000円アップするだけだったけれど……。
その辺は、一番最初や転職する前によく考えるべきだったと後悔しています。笑
退職金が多くもらえる
……可能性が高まる。とさせてください。3年務めて辞めたら退職金が3万円だったという話も聞きました。
ガッツリと、その病院によります。
看護師がひとつの職場で働くデメリット
人間関係が悪い場合、絶望
結局のところ人間関係が良ければ、職場に対してガマンできる範囲が広がるよねというのは身を持って感じました。
人間が感じるストレスの9割は人間関係によるものという言葉があるけれど、この仕事やっているとその通りだと思います。100パーだよ100パー。
同じ病院内で、異動を希望する手もあります。いわゆる転科ですね。
しかし、同じ病院内である以上、そのイヤなヤツとまたいつ一緒になるか予測できないのはちょっと恐怖じゃないですか?
急に人手が足りなくなって、ヤツが異動してくるかもしれません。こちとらなんで頑張って転科を申し入れたのかわからなくなりますね。
また異動願い出す? 気まずくない?
これなら最初っから転職しておけば良かったよーなんて未来まで見えました。
その病院のやり方設備物品しか、経験・体験できない
ド田舎小規模病院からすれば、大きい病院はおカネがある分、設備や物品も新しいものが多いです。新しい技術も取り入れられていき、それに伴いスキルアップもできます。
しかし、小さい病院にはそれがありません。新しい技術なんて入ってきません。
個人的な感想ですが、地域密着型の小さな病院では、医師も長年勤めてきた長老のような先生たちばかり。長年培ってきた技術以外の新しい事を取り入れる気なんて、さらさらありませんでした。
そんなところの私たち看護師と言えば、最新技術を雑誌かなんかで知って「ヘーコンナギジュツガアルンダー」とちょっと知った気になって終わり。経験しないことなんて、明日か明後日には忘れている始末です。
若いうちは経験的に、もったいなさ過ぎる。
「私はこの職場に骨をうずめるのだからこの職場のやり方だけ知ってりゃいいのよ」
それは否定しませんし、その通りでしょう。
しかし、看護師という職種はまだまだ女性中心の職場。
そして女性はただでさえ、妊娠・出産を、その身を犠牲にしてモロに経験する立場です。
妊娠にはひどいつわりがあるかもしれない。出産には様々なリスクも伴います。
妊娠・出産後も今と同じように、元の病院で仕事を続けられるかは誰にもわかりません。
私自身、つわりがひどくて仕事にならず、できればその時点で退職したかった。
やっとの思いで妊娠生活を乗り越えて出産したら、足を痛めて働くのが困難になりました。
知りたい方は<なすびーのプロフィール。>に書きましたのでこちらからどうぞ。
出産が退職の原因になるなんて、妊娠前は少しも考えていなかったよ。
そんな経験をしているので、「今の職場に骨をうずめるつもりです」以外の方は、スキルアップの面でも様々なやり方を知っておくに越したことはないと思っています。
明日、わが身にどんなことが起きるかなんてわからないですから。
今の職場への依存度が高くなる
デメリットの中では、これが最も厄介かもしれません。
3年、4年と勤めると、その職場にも慣れて安心感が出てきます。それは良いことなのですすが、長く勤めれば勤めるだけ、他の職場に移るのが怖いという恐怖心も大きくなります。
その職場の人間関係や看護技術、お給料が、その人の生活の一部を占めているからです。
仕事に打ち込めば打ち込むほど、その占める割合も大きくなってしまうのがツラいところでしょうか。
前述の通り、看護師という仕事は、男性看護師も増えてはきたもののまだまだ女性が多く勤める職種です。女性は結婚・妊娠・出産に伴いライフスタイルの変化の波が男性より大きいと感じます。
結婚による転居や、妊娠出産に伴う予想外のトラブルで、勤めることが困難になるかもしれません。万が一、その職場を急に転職しなければならないと決まった時に、職場への依存度が強い分、他に移ったり仕事を辞める際の不安が増してしまいます。
新しいことを経験するのは、多少なりとも恐怖心が伴います。
ひとつの職場しか経験していないとなれば、不安は相当なものになるでしょう。
最後に
上の文章をマジメに書きすぎたので、ここからは余談です。
残業のアルナシも人間関係に関わってくる部分がありますよねー。
例えば、めっちゃ怖いお局がいるとするじゃないですか。
どうしても人手が必要な業務って他のスタッフに声かけてやらないといけないけれど、怖いお局には声をかけるとキレられるタイミングが合って、間違えるとそれで時間を喰うし、タイミングをはかっていても時間はどんどん過ぎていきます。
これはなんだろう、地雷かな?
声かけてそのお局が爆発するか、時間切れで私が爆発するかの2択な特殊すぎる地雷かな??
で、だいたい手が空いているのってお局なんですよね。みんな怖いから。
私は「なすびーはあのスタッフばかりに声かけて私にはかけない」って陰口言われたことああります。
私が声をかけていた先輩は、優しいし仕事も早かったので、確かに声はよくかけさせてもらっていました。
もちろんその先輩に呼ばれた時は即手伝いに行ったよ。笑
その方が仕事スムーズに進むんだもの。
声かけたらかけたで文句言うのに、何言ってんだよお局が。笑
まぁ、この職種である以上、定年するまで同じところで自分の好きな仕事ばかりやっているというのはムリな話だと思います。急な異動命令もあるし。
私は自分の経験から、異動や転職は誰でも怖いけれど、万が一の時に備えておかなければならないとは強く感じています。
ミナサマが少しでもストレスのない看護生活が送れることを祈っています。
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