今日は、新人看護師のストレス要因の一つになるであろう、『同期との比較』について書こうと思います。
「私、同期と比べて遅れている……!」
と、焦りを感じている看護師さんの助けになればと嬉しいです。
Contents
新人看護師が同期と自分を比較してしまうのはなぜか?
そもそも、新人看護師が同期と自分を比較してしまう理由は何でしょうか?
理由としてひとつ思ったのが、『基準がわからないため、比較せざるを得ない』です。
例えば、先輩Aに「これを○○でやってきて」と言われそのようにした後、先輩Bに「このやり方は□□でしょ?」と怒られたことはありませんか?
マニュアルがあればまだ良いのですが、マニュアルがあっても機能しておらず、先輩が後輩に仕事のやり方を伝えてそのままという、メモが無ければ終わりなパターンの病院なり病棟があります。
怒られないような仕事できるようになるためには、先輩Aと先輩Bのやり方を教えてもらった同期同士で比較してすり合わせる必要が出てきます。
その時に、教えてもらったやり方をそのまま行う人もいるでしょう。
しかし、根拠に基づいて自分なりに考えられる人は、教えられたやり方にプラスして工夫することが出来ます。
そして初めは、それをできる人とできない人の差が顕著に現れます。
その時にまず、自分と同期の違いを感じることになります。
これはぶっちゃけ、気にしていても仕方ない部分があると思います。
そのうちできるようになれば良いだけのことですし、コツを掴むまでに個人差もありますしね。
私も自分のやり方を掴むまでには2~3年かかりました。
新人看護師の私が自分と同期を比較するようになった理由
私が同期と自分を比較するようになった理由は、
『周囲に比較されるから』です。
毎日毎日、先輩や上司に同期と比較され続け、
『あの子よりまだ何ができない』
『あの子はもうあんなことまでできるのにお前は』
と、散々言われる環境にありました。
もともと私は、同期とは仕事仲間としてそれなりの関係だけ築ければ良いなという考えでした。
仕事をしに来ているのだから、同期に対しては「仕事に支障が出ないようにお互い仲良くしませんか」という心持ちで接していました。
そのため、特に自分自身で自分と周囲を比較する必要はないと思っていたのです。
が。
先輩が私と同期を比べ始めてなんだかんだ毎日言われ続けると、やっぱり気になるもので。
毎日ネガティブなことを言われ続ける環境は、もともと低かった私の自己肯定感をごっそり削っていきました。
で、先輩が同期と比較するのも、同期自身も聞いているわけじゃないですか。
そうすると、ちょっと調子に乗り始める同期も出てくるわけですよ。
新人看護師が同期と比較されて焦った時の心構え
上記をふまえて私が新人看護師さんに伝えたいことは2つです。
比較するのは、
『他人じゃない基準』と『過去の自分自身』だけで十分だ
ということです。
それぞれ見てみましょう。
仕事の基準を『他人じゃない基準』にしよう
これはどういうことかというと、「手技の根拠さえ守れば他人のやり方は気にする必要がないのでは?」ということです。
手技ひとつとっても、看護師によってそれぞれやり方は微妙に違います。
先輩Aと先輩Bのやり方にも微妙な違いがあるため、上記の新人看護師は理不尽に怒られてしまったわけですね。
しかし、手技の根拠さえ守っていれば、どんなやり方でも良いと思いませんか?
もちろん、最初からそのやり方を自分自身で生み出すのは至難の業です。
先輩に教えてもらったやり方を軸にすることには、私も賛成です。
しかし、清潔不潔のルールを守るために何が一番か、加えてどんなやり方が一番早いのかなど、自分でも試してみないとわかりません。
そもそも自分がやりやすいやり方も人によって違うはずです。
先輩のやり方が絶対的だと思っていると、痛い目を見ることもたまにあります。
手技の根拠は自分で身につけましょう。
比べる時は、『過去の自分自身』と比較しよう
『誰と比べてどれだけできるようになったか』というのは、仕事をする上であまり関係ないと思いませんか?
まぁ、『できるようになった』と自分で感じることはモチベーションにつながるので大切だと思います。
その時に比べるのを、他人ではなく過去の自分自身にしましょう。
過去の自分と比べて何かひとつでもできるようになっていたら、それは間違いなく進歩している証拠だからです。
そういえば、上に書いた、『先輩が私とその同期を大げさに比較した理由』って何だと思いますか?
① 私に「自分は周囲より劣っているんだ」と理解させたい
② 単なるイジワル
こんなところですかね。
①なら回りくどいことしていないでそう言えよって話だし、②は社会人として論外です。
わりと多い気がするけどね……。
あえて言いますが、気にしないで仕事しましょう。
新人看護師は、自分と同期を比較されても気にしないで
もちろん新人看護師さんの個性や覚える速度に差はありますが、教える側によっても、どうしても優劣が付きます。
つまり周囲の環境からしても、人によってできる出来ないがあるのは当たり前。
そもそも勤務する日だって違います。
たまたま自分が休みだった日に、その病棟ではめったにやらない手技を見学できるかもしれないじゃないですか。
比べたって仕方のないことを比べるのは、もうやめましょう。
繰り返しますが、人に比べて自分ができないと思い込んでしまうと、いずれ病みますよ。
今からコツコツできることは、手技の根拠を学ぶことです。
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新人看護師さんが手技の根拠を学ぶのに最もおススメできるのは、ズルカンシリーズですかね。
ズルカンシリーズで学べる内容などをまとめたレビュー記事も書いているので、参考にしてみてください↓↓
新人看護師が、どうしても同期との比較に辛くなったら
比較されるだけならまだしも、特に新人看護師はそれに伴いキツイ言葉を言われることも多々あります。
勤務の度にそれを繰り返し言われるのはツラいですよね……。
比較されるのがあまりにツラいなら、環境を変える手もあります。
正直、私はそれに耐えられなくて転職した部分もありますから。
最後に
どんなにできないと言われていた看護師も、1年、2年と経てば、大きな差が無くなってくることがほとんどです。
加えて、自分自身にしかできないことが必ずあります。
本来、患者さんのことだけを考えて仕事していれば、他は気にしなくて大丈夫なんです。
患者さんを助けるために仕事をしているわけですからね。
仕事を安全にするために、何が大切で、要らないものは何か?
ここらで自分の置かれた環境や自分に何ができるのかを冷静に見直すのも、良いと思いますよ。