晴れて看護師になられた新人さんは、看護師として実現したい夢はありますか?
「この分野の認定看護師になりたい!」とはまだ決め切れていませんでしたが、特に<緩和ケア認定看護師>や<がん性疼痛認定看護師>に憧れていましたねー。
しかし、その夢は叶えられず、今に至ります。
前回の記事にちらっとそんな話を書いたので、今日は自分の夢を諦めた理由について書きたいと思います。
Contents
認定看護師になることが私の夢になった理由
余命宣告をされる患者さんがいますよね。
遠いと思っていた「死」というものが目の前まで見えてくる。
それが差し迫ってくる恐ろしさは、経験しているご本人じゃなければわからないものでしょう。
死が近づいてくるにつれて、不安や、痛みや、全体的な辛さが増してきます。
患者さんの経験している心のツラさはすべてわかってあげられるものではないけれど、せめて身体的な苦痛を取り除ける技術を持ちたい。
看護師になったからにはそんな高みを目指そうと、新人の時に思っていました。
認定看護師になるにはもちろん条件があり、それは簡単なモノじゃありません。
その厳しい条件のひとつに、「実務経験が通算5年以上、うち3年以上が認定看護分野の実務研修であること」があります。
私はド田舎で看護師をしており、近くに大規模な病院はありませんでした。
入職当初、住んでいる地域を離れられないプライベートな理由があったため、すぐには条件を満たせる病院で働くことはできませんでした。
しかし務めた職場の系列に大規模病院があり、望めば異動もさせてくれるという話だったので、(自分の問題が解決したら働く病院をそっちに帰るのもアリだな)と思い、その病院に入職を決めました。
そして、1年半でそこを辞めました。
私が認定看護師の夢を諦めた理由
私が夢を諦めた理由は、その病院でずっと働かなきゃいけないことに絶望したからです。
先輩たちが新人看護師に優しく見えたのは、たった1日目まで。
そこからは怒鳴り声アリ、器具や本の(床への)投げつけアリ、パワハラモラハラの嵐。
人間関係の悪さに加え、人手不足と業務過多、その病院のありとあらゆる問題がゴチャマゼになっていたような病棟でした。(闇鍋病棟とでも名付けようか)
先輩は新人たちに何をやっても許されるみたいな雰囲気がありました。
ペンライトって結構イイお値段しますよね。笑
毎日必死に耐えていた私が心折れた瞬間
まぁそんなトコでも、『初めて臨床に入ってすぐに辞めるのは……」と、未熟なりに歯を食いしばって頑張りました。
自分はまだその職場しか知らないわけだから、1年目で技術もないし、辞めてどこかに行くのも労力いるし不安だしと、デモデモダッテな気分でした。
他にどんな職場があるのか知らないから、どこもこんな職場ばかりなんだと思ってました。
そうやって何とか新人看護師時代を終えて、次の生贄……新人看護師たちがパラパラと入ってきた時に、ふと思いました。
あと1年ここにいて、しかもその後も同じ系列の病院で働かなければ、自分の夢は叶えられないんだなぁ。と。
もし自分が異動したとしても系列だから、今働いている周りのヤツらもいずれ来るかもしれない。
異動願いも断られた
あと、異動願い、断られたんですよね。
当初の話とチガウナーとは思いましたが、「2年目に入ったばかりだからダメ」とのことでした。
事なかれ主義な師長さんでしたから、
(1年目明けの新人がさっさと異動したいとは何か理由があるんじゃないか?)
と上に探られるのが嫌だったらしいよと、唯一仲良くなった先輩が後で教えてくれました。
ずっと怒鳴られ続けて、どこからか流れる無いこと無いことばかりの噂に振り回されて、それでもこの職場にしがみついていなきゃいけないんだ。夢を叶えるために。
そう思った時に、ぞっとしました。
しがみつくだけの体力が、私には残されていなかったからです。
食べられなくなったり眠れなくなったりしたのは、そんな風に絶望してからすぐだったように思います。限界だったんでしょうね。
目の前まっくら。私の夢はそこで消え失せました。
そしてそこを辞めて、ぜんぜん関係ない病院に転職しました。
夢を叶えられるのは、自分が健康であってこそだと思う
「認定看護師になること自体、その程度の夢だったんでしょ」と思う方もいるでしょう。実際、言われたことあるしね。
その通りですね。
眠れなくなったし、食べられなくもなった。
食べても吐いてしまうこともなんか知らないけれど増えてきた。
心療内科にお世話になって、処方された薬も飲んだ。
挙句の果てにそんな症状が出たことを、その原因となった人たちに責められている。
私も可愛げのないヤツでしたから、そうなった原因が全て周囲にあるわけではないと思っています。
それにしたって、症状が出ているのは明らかにヤバいですよね。
自分の限界のその先に足を踏み入れて、完全に心を壊すことになるのが怖かった。
心を壊したまま、普通の自分に戻れなくなることが怖かったんです。
夢のために自分を犠牲にできるかって言ったら、私にはできませんでした。
そもそも自分のための夢だったのに、その夢を叶えるために壊れてたまるかよ。
心療内科でもらった薬を踏みつぶして、(こんなところ辞めてやる!)と強く思いました。
そして私は辞めました。
辞める時も大したことはないんだけれど色々すったもんだがあって「あんたは逃げたんだからね!」という捨て台詞を同期に吐かれました。笑
しかし、看護師を辞めた今でも、あの時、夢を諦めておいて良かったと思っています。
ちなみに心療内科って高いんだよね……。
3回通ったんだけれど、2週間に1回薬代含めて6000円オーバーなのよ。
ドクターには感謝しているけれど、良い勉強代だったわ。
夢は諦めたけれど、職場を辞めた後悔はなかった
辞めたその日に、形式的にもらった花束と色紙をコンビニのごみ箱に捨てて、踊りながら帰ったなー。
つまり、なんの後悔もありませんでした。
(辞めたらちょっとくらい後悔するのかな?)とか思っていたけれど、かけらもそんなものはありませんでした。
あんなところさっさと辞めてしまった方が良かったんだ、とあらためて思っただけでしたね。
まぁその時には次の就職先も決まっていたので、安心感はありました。
その時に使った転職サイトについては、こちらに書いています↓↓
次の行き先が決まっているのと決まっていないのとでは、心の余裕に違いが出たかもしれませんね。
最後に
心身をを壊してまでしがみつく職場なんてありません。
そもそも看護師の就職も転職も、他の職業に比べたらベリーイージーモードなんです。
就職氷河期と言われた年の就職活動でしたが、1つの病院だけ受けて1発合格ですよ。
医療職には就かない、私よりずっと頭のレベルが高い大卒の周囲が就職で困っている中でそれです。
裏返すとそれだけ人手が足りないわけで、入ってからは苦労します。しかし就職だけで言えば簡単です。
そして、激務じゃない病院も、人間関係の良い病院も、まぁあるところにはあるわけよ。
私と同じように転職を考えている方向けの記事もいくつか書いています。
看護師の生涯転職率は7割だそうです。みんな思う所があって辞めては他の職場に流れて行きます。
3年ごとに職場を変える先輩もいました。
年の半分だけ働いて、あとは大好きな趣味に費やすという同僚もいました。
看護師の働き方は、他の職種に比べて多様だと思います。
繰り返しますが、心身を壊してまで今の職場にしがみつく必要はないのです。
人手不足ならさっさと潰れてくださいと、元職場には思うばかりであります。以上。
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特に新人さんは、今の職場を辞めたい気持ちと技術をしっかり身に着けたい気持ちの間で悩む方が多い気がします。おススメ記事を載せておきますね↓↓↓