新人看護師

新人看護師さんのための、インシデント予防法と心構え。【怖いよね】

今回は、『みんな大嫌い!インシデントを防ぐためにできること』を記事にしました。

一応7年働いた看護師が編み出した(という程でもないですが)、
抜け漏れなく働けるようにしていた方法をまとめたり、
インシデントに対する心構えなるものを書きました。

なすびー
なすびー
その人に合った予防法というのはあるよね。

しかし、

他の看護師はどんなふうに自分の仕事を管理してるの……?

と右も左もわからない新人看護師さんが知りたくなった時、この記事が一例になれば幸いです。

看護師がインシデントを起こさない方法は、ない

まず、インシデントを絶対に起こさない方法なんてありません。

ヒューマンエラーは、人間である以上、仕方のないことです。

できることは、
ヒューマンエラーを『予防』し、
起きてしまった事は『最小限にとどめ』、
患者さんに影響を及ぼさない
ようにすることだけです。

ヒューマンエラーを起こしても、患者さんにその影響が及ぶ前に防げたらひとまずはOKです。

インシデントを起こした直後は特に焦ってしまいがちですが、以上のために何ができるか、冷静に判断しましょう。

なすびー
なすびー
この仕事、注意しすぎるということはないですよね……

注意に注意を重ねていきましょう!

新人看護師がインシデントを防ぐための具体例(なすびーの場合)

正直、病棟で働いていると、
『手を離せない介助をしている時に、別の患者さんが何の前触れもなく走り出して転んだ』
とか
『夜中ぐっすり寝ていたはずの患者さんがルートを掴んで自己抜去していた』
とか
『昨日までは会話できていた患者さんが、急に歯磨き粉を食べだした』
とか、
「スタッフ全員が未来予知できるなら何とかなったかな?」というレベルの防ぎきれないインシデントが起きます。

しかし、問題は防げるはずだったインシデントの方です。

例えば、指示の抜け漏れなどを防ぐために私がしていたことは以下です。

ToDoリストの作成

無印良品などに売っているような、

□ (やること)
□ (やること)

みたいなきっちり丁寧なモノじゃなくても、やる処置を書き出しておいて、終わったらチェックをつけるだけで充分です。

要は自分の仕事を把握できればOK。

情報収集の時点でやることをすべてリスト化する。
ここには後から書き足さない。

時系列の作成

上のToDoリストはあくまで朝の時点でやる仕事を書き出しました。

その中で例えば点滴や血糖チェックなど、行う時間が決まっているもののみを時系列を作って書き足します。

加えて、仕事途中に指示変更などで新たにやることが出来た時は、この時系列に書き加えましょう。

新たにやることができた時点で、即この時系列に書き足す。

時系列に書き込むことを徹底して、『これだけ見ておけば安心』という状態にできるのがベスト。

そして時系列をこまめに確認して、時間でやるべき処置を忘れないようにしましょう。

なすびー
なすびー
では、「突発的な仕事を書き足すスペースがもうありません!」という時は?

付箋を使う

限られたスペースに書き込みすぎるのも、見えにくいため抜け漏れの原因になります。

今だけスペースが欲しいという時に、付箋はとても使い勝手が良いです。

付箋には、すぐに終わる処置、時間の決まっていない処置を書き込む。
終わったらすぐに捨てられる内容にしよう。

ポイントの理由は、付箋の粘着力に信頼を置かない方が良いから。

付箋を多用すると、いつか必ずどこかに行って帰ってこなくなります。(経験済み)

付箋を記録版にぺっと張るだけではなく、バインダーにはさむなど、無くさないよう対策をしましょう。

一番怖いのは、患者Aさんの個人情報を書いた付箋を患者Bさんの病室に置き忘れることです。

なすびー
なすびー
「プライバシー?何それ?」な状態だけは、ゼッタイに避けるんだ!

そのため、もうどうしようもない時以外は付箋を使わないことをおススメしておきますね。

タイマーを使う

絶対に飛ばしたくないことはタイマーを活用しましょう。
自分以外に、やらなきゃいけないことを教えてもらえば『忘れません』。

自分の力を過信しないことが、インシデントを防ぐ何よりのコツです。

*****

断言しますね。
「これくらい覚えてられるだろう」と思って対策を打たなかったことは、必ず抜けます。

看護師は例えば急変など、手持ちの仕事を全部吹っ飛ばして対応しなきゃならないこともありますよね。

そんな時に「覚えていられるはずだったこと」はすべて吹き飛びます。

それをいかに無くせるかが、インシデント予防に直結しますよ。

新人看護師がインシデントを起こした時の振り返り

そうはいっても、誰でも一度はインシデントを起こすのです……。

新人さんがインシデントを起こしてしまった時、振り返りが必要な項目は以下です。

・原因
・改善策

これだけ。当たり前じゃんと思いますよね。

私がこれをわざわざ書いたのは、新人看護師さんがインシデントを起こすと、『新人』というだけでいろいろ余計なことを言われやすいからです。

なすびー
なすびー
私が最初に勤めた病院では、インシデントを起こした新人に対する糾弾大会が開催されていました……。

あれほど無駄な時間はありません。

インシデントにかこつけてイジメたいだけなので、そういう状況になった時に新人さんには必要以上に傷つかないでほしいのです。

嫌味を言われて濁った泥水をザルですくって『原因』と『改善策』だけ心に残し、後の汚い水はきれいさっぱり洗い流して忘れてしまいましょう。

覚えておかなくても良いことはどんどん切り捨てるスタイルが、新人看護師が潰れないための正しい姿ですよ。

新人看護師がインシデントを起こすのは当たり前

インシデントを起こしてしまったからと自分を責めたり、落ち込みすぎるのはイクナイ。

いや、気持ちはわかりますよ。
私も自分の過失でインシデントを起こした時は、そりゃーへこみました。
周りにもやいのやいの言われたし。それは私が悪かったと反省しました。

でも、落ち込むだけで次に生かせないのなら、レポートを書いた意味がありません。

インシデントレポートは本来、
「こういう失敗例がありましたからみんなも気を付けましょうね」
と再発防止と注意喚起するためのモノで、個人を責めるモノではありませんよね。

起きてしまった事は取り消せないので、それを糧にこれから気を付けてやっていきましょうというだけで本来は良いはず。

なすびー
なすびー
責めたところで、責められた個人はただ委縮するだけですからね。

そんな時はインシデントレポートを書く意味を思い出して、必要以上に自分が傷つかないよう自分を守ることも大切です。

新人看護師の私がインシデントレポートを初めて書いた時の愚痴

私が初めて書いたインシデントレポートは、
『大部屋で誰のもの&いつのものかわからない未開封の薬が1粒床に落ちており、調べたら血圧を下げる薬(名前忘れた)で内服されていないことが発覚』
というもの。

ちなみに、その大部屋の患者さんは全員、内服自己管理でした。

そもそも、発見者がインシデント書くの不毛すぎるからやめない?

あとさ、これの原因と改善点ってどうすればいいの?

『原因:人間だからたまに忘れる、改善点:内服確認(内服している患者全員に行う)』
で良いですか?

改善策は今後可能な策を書かなきゃ意味がないよね?
え、マジで全員に確認するの?
どうしたら良いの?

ぶっちゃけ内心はそう思いましたが、新人の私にそんな発言権はなく、貴重な30分を使いレポート書いた&その後レポート書き直しによる時間の浪費……。

レポートの何をどう直したのかは忘れてしまいましたが、本当にどうでも良い直しだったことは確かです。

なすびー
なすびー
今もあれはイジメだと思ってますよ。笑

最後に

さて、今日は新人看護師さんのインシデントについて、辞めた人間がエラそうに書いてきたわけですが、新人の頃の私も、いろいろやらかしています。

麻薬のアンプル割って中身をぶちまけるとかね……。
他にも、思い出すと今でも鳥肌が立つようなこともしています。

あと、『自立』に関して伝えたいことがひとつ。

「早く自立しなさいよ」とプレッシャーをかけられる職場では、「まだこんなこともできないのか」と思われたくなくて、できるように見せてしまうという方もちらほら見かけました。

でも、それは自分にとって損です。

そもそも、『自立する』って何ですか?

なすびー個人の意見ですが、『自立する』=『全部自分でできるようにする』だと思っていると、つまずくんじゃないかなと思っています。

すべてを自分で行えれば、もちろん素晴らしい事なのですが、新人のうちは特に、それがほぼ不可能だからです。中堅でも難しい。

自立するという言葉の本当の意味は、
できないことをできる人に教えてもらえるよう頼むことができ、どうしても不可能な仕事をお任せして、安全に業務を終わらせることができる
ことだと思います。

なすびー
なすびー
だから、周囲に頼りましょ!

私はもう少し人に頼れていたら、いろいろ悩まなくで済んだかもしれないという1年目の後悔があるので。

ただ、頼るたびにいちいち暴言を言われていたら、心身が持ちません……。

自分の環境を一度見直してみることも、何より自分のために大切ですよ。

3か月で職場を辞めた新人看護師に未来はあるのか?新人看護師になって3か月の頃、何を思って仕事していましたか? 私はすでに辞めることばかり考えていた気がします。 入職して最初...

以上です。

読んでいただき、ありがとうございました!