時には一緒に怒られ、飲み会で先輩のあれこれを愚痴りながら、ツラい新人時代を共に乗り越えた同期が私には4人いました。
7年前、5人で病院近くの焼き鳥屋に通いつめたものです。
新人だった私たちも2年目になり、病棟には新人さんが5人配属されました。
驚くことに同期の1人が、新人さんに対し私たちが配属したての時にされたような冷たい態度を取り始めました。
あんた、飲み会で散々「この世代でこんな虐待チックなことは終わらせようぜ」と話していたじゃんかよ……。
私が辞めて引っ越してから彼女との交流は無くなりましたが、まだその病院で働いていると聞きました。お局様度、どれくらいアップしているんだろう……。
今回はそんな衝撃的なエピソードを思い出したので、この記事では
・新人看護師がお局様になる理由
・お局様にならないために新人看護師ができる事
・職場のお局様への対処法(新人看護師向け)
などを書いていきたいと思います。
Contents
そもそも『お局様』とはなんなのか
そもそもお局様ってなんなんでしょう。定義なんてものがあるかはわかりません。
ただ、「あの人ってお局様だよねー……」という言葉が使われる時、そこには明らかにマイナスなイメージが付きまとっているはずです。
個人的に『お局様』と聞いて思い浮かぶのは、
「意地悪く」
「特に若い新人などにツラく当たり」
「男好きな」
「良くも悪くも影響力のある」
「図太い」
「仕事を部下や他の同僚にやらせようとする」
「年配」の、女性
散々だなオイ。
お局様によってはこの中で含む要素、含まない要素があってそれぞれ個別性があるでしょうが、だいたいイメージとしてはこんな感じで「お局様」という言葉を使っていきたいと思います。
新人看護師がお局様へと成長する理由
そもそも、今「お局様」と呼ばれている人って、最初からそうだったんでしょうか?
そんなわけないと思うんですよね。
新人看護師がお局様になる理由
新人看護師がお局様へと進化していくには、それなりに長い年月がかかると思います。
つまり、環境がそうさせる部分が大きいのではないでしょうか?
以前の記事にも書いたような気がしますが、看護師はまだまだ女の職場。
女の嫌なトコとしてよく挙げられる、悪口、陰口、ないことないことの噂話。
そんな無数のの矢が放たれて、それらは武装しない限りすべて自分に突き刺さり、ストレスになります。
串刺しにならないように、盾を構えなければやっていけない世界。
そして長年あらゆる攻撃に対する盾を備え続けた結果、そのたくさんの硬い盾の中に閉じこもった人間が出来上がります。
それがいわゆる『お局様』なのではないでしょうか。
お局様に進化する看護師2パターン
なすびーは、新人看護師がお局様に進化する過程は2パターンあると思っています。
① 自分が傷つかないように武装した結果。
② 元々の図太い性格と、立場が上になったことが相まった結果。
こんな理由から、長い年月を経てお局様という存在へと進化していくのでしょう。
ポケモンで言えば最終進化形態。リザードンや、オーダイルや、あとなんだろう。狂暴そうなやつ。あ、ガオガエン!
新人看護師がお局様にならないためにできること
ダニング・クルーガー効果って知ってる?
「なんかちょっと私できる子かも?」みたいな気になる時が誰にでもあると思います。
能力の低い人ほど自分を過大評価する。
これはダニング=クルーガー効果と呼ばれる実際にある現象です。
ダニング=クルーガー効果については、説明がメンドクサイ私よりずっとうまく説明した文章がネットに転がっていたので、興味があればこちらを参照してください。
http://cocoronext.com/psychology/akahhaji/
そういや私も看護学生の時、実習で(特に大きな失敗もなかったな?)と自己評価で85点をつけたら、指導者に70点付けられてレポート返されたことがあったな……。
話がそれましたが、できない人ほど自分の力を過信することが研究結果として出ています。
初心忘れるべからず
『初心忘れるべからず』という言葉がありますが、本当にその通り。
自分の力を過信し、初心を忘れて謙虚さを失うと、他の大事なモノもいつの間にか失っていることがあると思うんですよね。例えば周囲の信頼とか。
お局様って、実際誰も関わりたくないと思うんですよ。
自分の機嫌が悪けりゃ怒鳴るし、仕事押し付けて自分はさっさと帰るし(積年の恨み)。
そんな風に闇を抱えてしまった私も含めて、そんな人間にならないように、初心を忘れず、自分ができないことを一つずつ身に着けようという姿勢を持ち、謙虚でいることは大切だと思います。
新人看護師に捧ぐ、お局様への対処方法
さて、そんなメンドクサイお局様に絡まれてしまったら、どうしたらいいのでしょう?
上記の通り、お局様は完全武装でいくつもの盾の中にこもったまま攻撃してくる存在です。
こちらの攻撃は、基本的に無効になることが多いでしょう。
そんなお局様と対峙するにあたり、覚えておいてほしいポイントが3つあります。
①攻撃するだけ無駄と理解する
②お局様を褒めたたえる
③内心は何を思っていても構わない
お局様を攻撃するだけ無駄
まず1つめのポイント、「攻撃するだけ無駄」です。
別に自らストレスの渦に飛び込んでいく気にならない人の方が多数でしょう。なるべく穏便にコトを済ませたい人がほとんどだと思います。
鉄壁のお局ガードを焼き払うには、相応のハンパない攻撃力と体力・精神力が必要です。ハッキリ言って、時間のムダになるでしょう。
そして、しなくても良い戦争が終わる頃、自分が勝ったと思えたなら一瞬スカッとするかもしれませんが、繰り返しになるけれど自分の立場とかいろいろ大切なモノを失っている気がします。
加えて、お局様がそんな盾の中にいつまでもいる理由は、傷つきたくない気持ちが人一倍強いから、ではないでしょうか。
お局様はたいていベテラン看護師です。
天高いプライドも持ち合わせている場合も多いです。
彼女たちは、新人や2年目3年目が自分に意見することなど、あってはならないとおそらく思っています。
他に人がいなかったんだからしょうがねーだろ。
80kgを私一人でどう動かせっていうんだよ。
と、当時は思いました。
患者さんの安全が最優先なのにね。
(他の人に手伝ってもらったので患者さんは無事に体交できました)
すみません、ただの愚痴です。
お局様を褒めてみよう(何を思っていてもOK)
ポイント2つめ、「お局を褒めること」です。
屈辱かもしれませんね。
しかし、こちらのダメージが少なく済む方法の一つなので、自衛のために覚えておきましょう。
上記のようにお局様は、攻撃されることを極度に恐れる存在です。
そのため、自分はそんなことしませんよ、と示せたらグッジョブなのです。
勉強になりましたー(棒読み)ではさすがに見破られると思うので、目力を意識して女優になりましょう。
ここでポイント3つめ。「内心何を思っていても構わない」です。
具体例として、私がやっていたのは「すみませんでした」と謝った後に、心の中で(なんて言うかよバーカ!)と付け加えること。
心理学の本で読んだのですが、自虐を自分で言ったり悪くもないのに謝ったり、ネガティブな発言が自分の耳に入ると、少なからずメンタルが削られるらしいです。
『悪口を言わない方が良い』のはその悪口が自分の耳に入り自分にも悪影響だから、というのはどうやら本当の事らしい。
やってみると、お局様に言われた面倒な言葉の数々が心に刺さらず、あるいはかすり傷で済むことが実感できるのではないかと思います。
自分をダメだと思わないように
新人看護師さんに覚えておいてほしいのですが、
自分で自分をダメだと思った時、良いことってビックリするほど皆無なんですよ。
鬱になりかけた私が言うんだから間違いありません。
攻撃しませんよってことが相手にわかってもらえて、盾の間にスキマが見えたら良し。懐に入ってしまえばこっちのモンです。
それには長い時間がかかるかもしれません。
どうしてもその場所で働きたい、働かなきゃいけない理由があるのなら、以上のことを思い出してみてくださいね。
最後に
いろんな人がいます。
えーちょっとあなたそんな嫌味をさらっと気軽に他人に言えるなんてどういう神経しているのかしらっていう人も結構見てきました。
ずっとそこにいれば年数は経っていきます。
自分にとやかく言ってくる人も少なくなってくるでしょう。
そんな時に、お局様的人種は定期的に発生してくる気がします。
『他職種を下に見る看護師になってはいけないという話。』という記事の中にも書きましたが、自分ひとりで働いているわけではありません。
それを忘れると良いことは起きません。
「私がいなくなったらこの病棟が回らない!」とふんぞり返る人が思う人もいるかもしれませんが、決してそんなことはないのです。
誰かがいなくなればその穴を誰かが埋めざるを得ない、そしてそれはたいてい可能です。
技術的に「この人がいないとダメだ」と思われるような、高いレベルを志すのも大切ではあります。
しかし、この人と一緒に働きたいと思える人になることも、チームとして働く以上、大切だと思います。
あと、もう一つ言いたいことがある。
その立場になったからと威張り始めたならば、その人の器にはまだその立場は大きすぎたということです。
みなさんの職場の上司は、どうでしょうかねー。
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人間関係がどうしてもうまくいかないのでやっぱり辞めたい。
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