新人看護師さんが配属されて、早2か月半が経ちましたね。
悩みはその看護師さんによって千差万別だと思いますが、私がひとつ言いたいのは
看護師やっているだけでスゴイからね。
どうか焦らずに、気負わずに。
さて今回は、
『新人看護師さんは自己目標を設定してみたら良いよ』
という提案を書きます。
自己目標。自分で設定する自分の目標のことです。
新人看護師時代を乗り切るひとつの方法として、知っておいて損はないと思います。
Contents
新人看護師が自分で目標を設定するべき3つの理由
新人看護師さんが自己目標を設定するべき理由は、主に以下の3つです。
・勉強する意欲が生まれる
・仕事のモチベーションアップにつながる
・自尊心が保たれる
ひとつずつ理由を見ていきましょう。
勉強する意欲が生まれる
もともと仕方なしにも勉強はすると思いますが、自分で立てた目標を達成しようと思えば、勉強しようという意欲も生まれやすいと思います。
『目標を達成する』という意欲があるのとないのとでは、知識の定着率も違いますからね。
仕事のモチベーションアップにつながる
上記と同じ理由で、達成したいことがあると仕事のやる気にもつながります。
勤務はただでさえ忙しいと思うのですが、それ以外に自己目標を達成しようと思うと、仕事の組み立て方を工夫しなければならない場合が出てきます。
効率を考えながら仕事できる能力は、看護師にとって不可欠です。
意識しながら仕事をすることで、ぼーっと仕事している看護師との差はいずれ開いていくことでしょう。
自尊心が保たれる
新人看護師さんは『できない』ことを責められがちです。
新人さんが何かできても「できるのが当たり前」感を出されて終わりなことってないですか?
結果、新人さんは少しずつ自尊心を失っていくことになります。
自尊心を失わないためのひとつの方法が、自分で目標を設定し達成していくことなのです。
「できた!」と実感し、できることが増えた自分を褒める機会を作りましょう。
新人看護師が自分で目標を設定する時のコツ
新人看護師さんが自己目標を設定する時のコツは、以下の3つです。
・ユルめの目標にする
・目標の数を増やしすぎない
・患者さんの関わらない目標にする
ユルめの目標にする
まず大切なのは、達成しやすいユルめの目標にすることです。
「目標を達成できた!」という達成感が自尊心を高めるので、最初から達成できないような厳しすぎる目標設定は、自分で目標を立てる時には無意味です。
自分に厳しいのは悪いことではありません。
しかし、厳しすぎるのはストレスを抱えやすい新人看護師にとっては良くないのです。
達成できた自分を認めてあげて、着実に進んでいるということを実感してください。
目標の数を増やしすぎない
皆さんの職場に『新人チェックシート』なるものはありますか?
新人のできることを増やすためという名目で、私が新人の頃に勤めていた病院では設定されていました。
チェックシートがなくても、新人の目標として何か決められていることはあるのでは?
実際はそれを達成するだけで、精いっぱいだと思います。
その他にいくつも『自己目標を達成しよう!』と思ってしまうと、それ自体が自分の負担になりかねません。
そんなわけで自己目標は、1日1個を達成できるくらいでOKではないかと思います。
達成できなかったなぁと思うことがあれば、目標自体をもう少しユルくし、次の勤務日で達成できるようにしましょう。
患者さんが関わらない目標にする
例えば、『3人分の採血を10分で終わらせる』という目標を立てたとします。
処置をテキパキ終わらせられる能力は確かに大切です。
しかし、処置を受ける患者さんには、患者さんの都合があります。
当然ですよね。
採血に回った時、3人ともどこかに行っているかもしれません。
用事があって「後にしてくれ」と仰るかもしれません。
患者さんの都合に合わせて、達成率が左右されるような目標は立てないようにしましょう。
新人看護師が目標として掲げたいことの一例
上記のコツを踏まえて、こんな目標を立ててみるのはいかがでしょうか。
・患者さんにタメ口で話さない
・以前失敗した○○を失敗しないようにする
・○○という処置の物品準備を5分以内でできるようにする
・処置の物品準備ができたら、足りないモノがないか再確認する
・点滴の接続部、刺入部など確認を怠らない
・薬剤投与の際は、絶対に必要な確認を怠らない
・患者さんの確認を徹底する
・5人分の点滴を〇分以内で詰められるようにする
最初はこんな基本的なことで良いんです。
何事も基本が一番大切ですしね。そこを怠らないことが、インシデントを起こさないことにもつながります。
慣れてきたら、自分の苦手とすることを中心に、自己目標のレベルをアップしていけば良いのです。
また、病棟で起きたインシデントがあれば、それを自分が起こさないためにはどうするべきかを考えて、自己目標に組み込むという手もあります。
新人さんが慣れてきた時に起こるインシデントって多いんですよ。
仕事に慣れてくると、「これくらい飛ばしても大丈夫だろう」という気持ちがどうしても働くからです。
私にも経験があるし、誰もが感じるであろう気持ちですが、その一瞬の確認不足が重大なインシデント・アクシデントにつながることもあります。
確認は、タイセツ!
絶対に怠らないようにしましょう。
自己目標を達成し続けた新人看護師の先にあるもの
さて、目標をコツコツ達成してきた新人看護師さんの先には何が待っているでしょうか?
まず、ぼーっと仕事してきた看護師さんと比較して、できることは確実に増えています。
何もできなかったあなたは、もういなくなっています。
自分が達成してきたことに、大いに自信を持ってほしいです。
加えて、例えばあなたが培った正しい技術を、
など、様々な理由をつけて目の敵にしてくる先輩たちと働きたいですか?
フツーはイヤですよね。
プライドが邪魔をすると、若い人間が自分より知識がある&自分より手技が上手いなど『自分よりできる』ことを受け入れられない看護師がいたりします。
そんな人間のいる職場を辞めて、新しい場所で働くことも可能になります。
あなたが持っている知識を生かせる職場で働くことができるという選択肢が、あなたが培ってきたモノのおかげで増えているのです。
あなたが働きたい場所で働けるようになりますよ。
私が新人看護師さんに自己目標を提案した理由
上記にある通り、私も病棟で『新人チェックシート』なるものを与えられました。
で、『○○を見学する』、『○○ができるようになる』みたいな、そこに書かれたチェック項目を目標にして頑張るわけじゃないですか。
最初に見学させてもらい、処置を行ってOKをもらえれば、その処置を自分でできるようになります。
それで初めて項目がチェックされます。
たしか60項目くらいを1年で達成するんだったかな?
しかし、見たことのない処置がある時に見学させてくださいとお願いしても、
何回か経験のある処置の項目チェックを見てもらうためにお願いしても、
病棟ではあまりやらない珍しい処置が行われていると聞き、処置室に行っても、
病棟が忙しかったのは新人の私でもわかりました。
「ホントに空気読めない使えない」と私たち新人が陰で言われてたのも聞こえてました。
でも、他にどうしたら良かったんでしょう?
そして半年後、私たち新人のチェックシートを見たプリセプターの2人は言いました。
「達成率が低すぎる。もっとちゃんと声掛けして、自分で動かないとダメ」
「このままじゃ何もできるようにならないよ。サボらないで」
その夜の新人の飲み会は愚痴大会で盛り上がりましたね。笑
最近、元職場の情報を得る機会があったのですが、4人いた私の同期のうち、3人が辞めたそうです。
私自身、あの職場は辞めて正解だったと思っています。
考えられるあらゆる手を尽くしても埋まらないチェックシート。
それに対し「新人はやる気がない」と怒る先輩たち。
しかし環境と言うのは怖いモノです。
理不尽にでも繰り返し怒られるので、「私はできないダメな奴なんだ」と自分のことを思うようになりました。
ただ、自己目標を設定し、それを達成したことを自分で実感し褒めていれば、あの時の私のストレスは少しでも軽減されたんじゃないかと思います。
自分で決めた目標は達成できている。
私は前に進んでいる。
新人さんには、少しずつでもそう感じながら仕事してほしいのです。
実際、前に進んでいるのは事実なのだから。
最後に
長くなりましたね。ここまで読んでくださってありがとうございました。
新人看護師さんって怒られることはあっても、褒められることってあまりないですよね。
私自身もそれでツラい思いをしてきたし、どうすれば良かったんだろうと悩みました。
結果的に転職を選んでわかったことは、
『いても成長できないばかりか心身ともに削られる職場もある』
ということです。
今の職場で頑張りたい新人さんのメンタルが、この記事によって少しでも楽になったら嬉しいです。
*****
今の職場を辞めたいと思った新人看護師さんに読んでほしい記事はこちら↓↓